touroku.in

印鑑証明の有効期限

自動車の所有者を変える名義変更の手続きをする場合、印鑑証明書を提出しなければなりません。

 

根拠となる規定は、自動車登録令です。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26SE256.html

 

自動車登録令の第16条では、

 

(印鑑に関する証明書の添付)
第十六条  申請書には、やむを得ない場合を除き、申請人及びその第三者(第十四条第一項第二号の書面を提出する場合に限る。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては、市長又は区長とする。)又は登記官が作成するものに限る。以下この条において同じ。)を添付しなければならない。ただし、自動車の変更登録又は更正の登録の申請書にあつては申請人の、抹消した登録の回復又は抵当権の登録の申請書にあつては登録権利者である申請人の印鑑に関する証明書を添付しなくてもよい。
2  前項の規定は、申請人又はその第三者が国又は地方公共団体である場合には、適用しない。
3  第一項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。

 

とされています。

 

簡単に言うと、

 

・申請書には印鑑証明書を付けてね。
・国とか地方公共団体なら、いらないよ。
・印鑑証明の期限は、3ヶ月以内だよ。

 

ということになりますね。

 

でも、3ヶ月以内と言われても、具体的にいつなのかを考えると、結構、いろいろと問題になるケースがあります。

 

その最たるものが、2月28日付けの印鑑証明書です。

 

さて、この印鑑証明書は、いつまで使えるでしょうか?

 

普通に考えると、3ヶ月後の日付、5月28日の前日までなので、「5月27日まで?」というように思えます。

 

でも、違うのです。

 

ちなみに、さっきの自動車登録令というのには、日付の考え方についてまでは決められていません。

 

では、そういう場合には、何にしたがって考えればいいのでしょうか。

 

それは、民法です。

 

民法で、◯◯以内だとか、××までだとか言われるときの解釈の仕方が決められています。

 

そして、いろんな法律などでも、特別に「ここではこう解釈するよ」という決めがなければ、民法にしたがって考えるということになっているのです。

 

という訳で、民法の該当する箇所を見てみましょう。

 

(期間の起算)
第139条  時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。
第140条  日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
(期間の満了)
第141条  前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。
第142条  期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。
(暦による期間の計算)
第143条  週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2  週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

 

まず、第140条ですが、「初日不算入」と呼ばれる考え方についての条文です。

 

たとえば、印鑑証明書で言えば、書類が交付されるのは、その日になった瞬間、夜中の0時ちょうどという訳ではありませんよね。

 

実際には、その日の途中で書類が交付されて、自分で使えるようになる訳です。

 

具体的に言えば、役所の窓口で午後2時に印鑑証明書を取ったら、その日の残りは10時間しかありません。

 

交付を受けたその日は、中途半端な残りの時間しか使えないのに、その日も有効期限の中の1日としてカウントされるのでは困ります。

 

「じゃあ、初日については半端なので、数えに入れないということにしよう」ということになります。

 

そんな訳で、第140条のように「初日は不算入にするよ」と定められているのです。

 

初日不算入なので、カウントされるのは交付日の次の日から、ということになります。

 

さっきの例、2月28日づけの印鑑証明書で考えてみましょう。

 

当日は入れないので、次の日の3月1日からカウントされることになります。

 

このような数え始めの日を、「起算日」と言います。

 

これで、数えはじめの日は決まりました。

 

では、期限の最後の日は、どのようにして決まるのでしょうか。

 

第143条第2項には、「週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する」とされています。

 

つまり、応答する日の前日で終わり、ということです。

 

そして、「起算日に応当する日」というのは、さきほどの例で言えば、3月1日の3ヶ月後なので6月1日になります。

 

その前日は、5月31日ですよね。

 

そんな訳で、2月28日づけの印鑑証明書が使えるのは5月31日まで、です。

 

ただし、その日が日曜日ということもありえます。

 

その場合には、第142条の「期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する」という決めにしたがいます。

 

日曜日の場合は、その翌日にズレこむので、期限は翌日の月曜日、6月1日になります。

 

では、5月31日が土曜日だった場合は、どうでしょうか。

 

役所は、土曜日もやってないですよね。

 

そのへんの決めは、「行政機関の休日に関する法律」に定められています。

 

(行政機関の休日)
第一条  次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。
一  日曜日及び土曜日
二  国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
三  十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。)
2  前項の「行政機関」とは、法律の規定に基づき内閣に置かれる各機関、内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関として置かれる各機関及び内閣の所轄の下に置かれる機関並びに会計検査院をいう。
3  第一項の規定は、行政機関の休日に各行政機関(前項に掲げる一の機関をいう。以下同じ。)がその所掌事務を遂行することを妨げるものではない。

 

という訳で、土曜日は休日なので6月1日にズレて、6月1日も日曜日で休日なので、6月2日まで使えることになります。

 

仮に月曜日が国民の休日だったりしたら、その日のまた次の日、6月2日になります。

 

このようにして、印鑑証明書の有効期限は決まります。

 

ところで、同じ2月28日づけ発行の印鑑証明書でも、その年がうるう年で2月29日まである場合には、どうなるでしょうか。

 

起算日は、交付された日の翌日なので2月29日になります。

 

応当日は、3ヶ月後の5月29日になって、印鑑証明書の期限はその前日だから、5月28日になる訳です。

 

そして、その日が休日や祝日だったりすると、またズレこむことになります。

 

他にも、応当日がない場合というのがあります。

 

例えば、8月30日に交付された印鑑証明書は、起算日が8月31日になります。

 

けれども、その3ヶ月後である11月31日というのは、存在しません。

 

この場合、第143条に「最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する」とされていることから、末日である11月30日が有効期限の最後の日になります。

 

以上のように、印鑑証明書の有効期限というのは、簡単なように見えて、結構、複雑です。

 

実際、役所に問い合わせた場合でも、間違えた答えが返ってくる場合もあるようです。

 

カレンダーも見ずに、すぐに3ヶ月後の日付の前日を答えているようだったら、要注意ですね。

 

印鑑証明書をわざわざ取り直すのは面倒ですので、ダマされないようにしましょう。

 

関連ページ

元の所有者(車検証上の旧所有者)が行方不明の場合の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消登録)
車の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消)の必要書類のことなら、touroku.in
なぜ住所のつながりが必要なのか?
車の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消)の必要書類のことなら、touroku.in
住民票・住民票の除票・戸籍の附票・戸籍の附票の除票とは?
車の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消)の必要書類のことなら、touroku.in
住所のつながりが取れない場合
車の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消)の必要書類のことなら、touroku.in
使用の本拠の位置とは
車の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消)の必要書類のことなら、touroku.in
車を売った相手(新所有者)が行方不明の場合の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消登録)
車の名義変更(所有者変更)・廃車(抹消)の必要書類のことなら、touroku.in